「どんなところが良いホームなのか」逆に「悪いホームなのか」を知りたいと思う方は、とても多くいらっしゃるようです。しかし、原則的に「良い」「悪い」の判断は、個々人の条件や考え方次第なので、一概に判断できるものではありません。とはいえ昨今のように、選択肢が増えすぎると逆に「わからない・選べない」ということにもつながっています。
そこで、『介護天国』では、ひとつの指標に基づいて分析をしてみました。最初にお断りをしておきますが、「良い」「悪い」の判断材料ではありません。有料老人ホームには、ホームページに書ききれないほどのチェックポイントがあります。全ての項目を精査しているのではなく、
- 比較しやすい数字資料
- 一般的な考えで品質に直結しやすいポイント
使用したデータは、府県庁に登録されている重要事項説明書等のデータ(府県庁のホームページ等から抜粋)と各老人ホームのホームページに公表されているデータから抜粋して比較しました。よって、公表時期などにより現状とあわないこともあるということをご了承ください。
また、できるだけ公平性を保てるようスタッフで検討した「基準となる数字指標」を作成しましたが、これも個々人の考えや感覚によって異なります。あくまでも、参考にして頂くという前提でご覧ください。
※なお、開設1年未満のホームは正確な数字の判定がしづらいので除外しています。
ランキングの指標の考え方 |
指標は、4つの項目で考えました。
- 経営の観点
- ホーム内の体制の観点
- 設備の観点
- 介護保険の利用の観点
1.経営の観点
「老人ホーム」も普通の会社と同じ“経営”です。昨今の経済環境はもとより、さまざまな課題から老人ホームの経営も簡単なものではありません。「終の棲家」として選んだホームが、倒産などの事態になり「これからの生活はどうなるのか・・・」といったことにならないよう、ホームの経営状況を確認することも不可欠です。
- 情報公開の度合い
- 老人福祉法では「重要事項説明書」は希望があれば必ず交付することが義務付けられています。そのほかにも事前にほしい資料としては「契約書」「管理規定」「財務諸表」があります。これらを公表しているかどうかについて、大阪府の公示データからチェックしました。
- 入居率
- 「資金繰り」という点では重要な指標です。ホームの費用としては、入居一時金と月額費用がありますが、毎月の運転資金はおもに「月額費用」(利用者から支払われる毎月の収入)です。開設後1年を過ぎた段階で、70~80%以下の場合は資金繰りが厳しい可能性もあります。
ただし、複数運営しているホーム(企業)は、全体のホームをチェックする必要があります。たとえば、5ホーム運営しており、1ホームだけが入居率が悪い場合はさほど影響はないかもしれませんが、5ホームのうち1ホームの入居率は90%で、他の4ホームが50%などだと経営的には問題です。 - 保全措置
- 2006年の老人福祉法改正により、2006年4月以降に開設するホームには「保全措置」が義務付けられています。それ以前に開設しているホームは任意となっていますが、利用者保護を考えると保全措置がとられていることは重要な要素です。前払い金として入居一時金を支払っている場合、最大500万円まで、万が一ホームの倒産等がある場合返金される制度です。
銀行保証、保険契約による保証、親会社(一定の基準アリ)の保証、有料老人ホーム協会加盟、などの方法があります。
2.ホーム内の体制の観点
特に介護型の場合は、スタッフの数や職種が品質に大きく関わる場合があります。基本的な考え方として、介護が必要な利用者3人に対し介護職員は1人という最低基準があります。介護職員とは、介護職員と看護職員をあわせた数です。
なお、住宅型の場合は介護は別契約の在宅介護サービスを利用することになるので、施設の体制としては職員配置が少なくなりがちです。今回のランキングではその点は考慮せず一律に計算しています。
また、本来であれば、より正確性を期すために理学療法士や作業療法士などの専門家の配置も考慮したいのですが、今回は省いています。
- 介護体制
- ホーム側の人員配置表示がある場合は、その表示を入れています。表示がない場合は、大阪府の公表データにおける介護職員の数と入居者数から割り出しています。
- 夜間体制
- 夜間の人員配置を入居者数から割り出しています。
- 看護体制
- 看護師の人員配置を入居者数から割り出しています。
- ユニットケア
- 少人数制での介護は、介護の品質を高めると判断し、ユニットケアを採用しているホームに加点しています。
- 介護付 特定施設
- 住宅型 居宅介護サービス
※介護体制、夜間体制は、定員に対し入居者が少ない場合点数が大きくなるという矛盾点も発生していることはご理解ください。
3.設備の観点
ホーム入居後は多くの時間を過ごす自室(居室)となるので、快適性を考慮してみました。法的な規制はありませんが、広さは13㎡をひとつの基準とし、ホーム内に13㎡以下の部屋がある場合は減点としています。また、排泄の自立をできるだけ促すには居室内のトイレ・洗面設備設置が望ましいと考え、同様に居室にトイレ・洗面設備のないホームは減点としています。
4.介護保険の利用の観点
「施設での介護保険」のページでも解説しましたように、有料老人ホームの3類型では利用する介護保険制度が異なります。健康型は原則介護が必要になれば退去なのでここでは除外となりますが、
今後のランキング修正では、財務諸表の分析、人材への投資、などのさらに細かい観点で分析していきたいと考えています。
ランキングの出し方 |
※50点を基準としそこから加算・減算
| 情報公開 | 1項目でも×があれば | -10 |
|---|---|---|
| 入居率(%) | ||
| 100~80 | 0 | |
| 79~60 | -10 | |
| 59~50 | -20 | |
| 50以下 | -30 | |
| 保全措置 | 保全措置を取っていない場合 | -20 |
| 介護職員 | ||
| 規定以下 | -10 | |
| 3:1 | 0 | |
| 2.5:1~ | 3 | |
| 2:1~ | 6 | |
| 1.5:1~ | 9 | |
| 夜間体制 (入居者数に対する比率) |
||
| 10%以上 | 8 | |
| 8-9%台 | 6 | |
| 6-7%台 | 4 | |
| 4-5%台 | 2 | |
| 1-3%台 | 0 | |
| ナシ | -10 | |
| ユニットケア | ||
| 取り組んでいる | 10 | |
| 取り組んでいない | 0 | |
| 設備 | ||
| 13㎡以下の部屋がある場合 | -10 | |
| トイレ洗面ナシの部屋がある場合 | -10 | |
| 特定施設 | ||
| 事業指定を受けている | 5 | |
| 特定施設以外の場合 | 0 |
今回のランキングのもとになっている指標です。
上記で説明した観点に基づき、指標ランクをつけました。これにもとづき、公表データより抽出したものを点数化し上位10位まで、掲載しています。
なお、このランキングのみで優劣はつけられませんので、各データも参照の上、ご自身の条件などに合うホームの参考として頂ければと思います。
| 2010年1月 | 大阪府 施設ランキング概要 |
|---|---|
| 調査・分析中 | 兵庫県・京都府・奈良県 |
※介護天国および運営事業者は、公表ランキングの内容を保証するものではありません。
この情報を利用した結果被ったいかなる損害・損失についても、著者および事業者は一切責任を負いません。
自己判断にてお願いいたします。











